連載企画
相続税豆知識

第12回 延納制度

 こんにちは、岸本です。
 前回相続税の納付方法についてその概要をお伝えしました。今回はその納付方法の一つである延納について、その内容を掘り下げてお伝えします。
 前回お伝えしたように相続税は金銭一時納付が原則です。しかし、相続により取得した財産のほとんどが不動産であるなど、金銭一時納付が困難な場合もあります。そこで登場するのが延納制度です。延納制度は一定の要件を満たした場合に、相続税を分割により納付する手続です。その要件は次の通りです。

 1. 相続税額が10万円を超えること
 2. 担保を提供すること
 3. 金銭で納付することを困難とする事由があること
 4.延納申請書を提出すること

 上記の要件を満たし、税務署長の許可を受けることで延納制度の適用を受けることができます。この場合の分割の期間ですが、原則は5年です。いつものとおり原則もあれば例外もあります。例外についてはまたの機会で…というパターンは飽きられたかと思いますので、今回はしっかり例外についてもお伝えします。

 1. 不動産等の割合が50%以上である場合
  不動産等に係る相続税額…15年以内
  動産等に係る相続税額…10年以内

 2. 1に加え、森林計画立木の割合が20%以上である場合
  森林計画立木部分の相続税額…20年以内
  特定森林計画立木部分の相続税額…40年以内

 3. 不動産等の割合が75%以上である場合
  不動産等に係る相続税額…20年以内

 ここでの不動産等とは、不動産に加え立木、事業用減価償却資産、一定の株式等をいいます。
 以上、相続税豆知識第12回でした。