連載企画
相続税豆知識

第11回 相続税の納付方法

 こんにちは、岸本です。
 相続税を納付する方法は3種類あります。現金一括納付、延納、物納です。今回はその相続税の納付方法の概要をお伝えします。
1. 現金一括納付
 相続税は現金一括納付が原則です。そのため納税資金の確保は重要な相続対策の一つとなります。相続財産又は納税者の財産で納付が困難な場合には次の延納により納付することとなります。
2. 延納
 現金一括納付が困難な場合に一定の要件を満たすことで適用できる納付方法です。担保を提供することにより相続税を分割で納付することができます。この場合、利子税を合わせて納付する必要があります。
3. 物納
 相続税を現金一括納付も延納もできない場合には物納を選択することになります。物納とは相続税を相続した財産そのもので納付する方法です。なお、不動産を物納する場合には測量、道路査定等を要するため許可までの時間がかかります。したがって物納を検討する場合には早い段階で行わなければなりません。
 以上、かなり簡潔ですが、各納付方法の概要でした。…終わるには短すぎましたね。では、補足ということで。延納を適用している納税者が一定の要件を満たした場合には物納に切り替えることができます。また、その逆もあります。具体的には次の通りです。
○延納→物納
 延納の許可を受けた者がその後延納により相続税を納付することが困難となった場合には、申告期限から10年以内に申請をすることで物納に切り替えることができます。
○物納→延納
 物納した財産が賃借権の付されている不動産であった場合には、物納の許可を受けた日後1年以内に申請をすることで物納を撤回することができます。物納の撤回が承認されれば、現金一括納付又は延納に切り替わることになります。なお、延納に切り替える場合には延納の申請を行う必要があります。
 以上、相続税豆知識第11回でした。次回は延納について掘り下げてお伝えします。